なんで君の折り込んだクロワッサンは発酵が遅いんだ。
なんで君が折り込んだクロワッサンはボリュームが出ないんだ。
なんで君の折り込んだ生地は釜伸びしないんだ。
なんで君の折り込んだクロワッサンは頭が真っ直ぐに立たなくて
横に流れてしまうんだ！
こんな悪戦苦闘のスタッフが。
ついに。
一通りの技術を習得して。
素敵なクロワッサンを作れるようになりました。
長かったです。
本当に。合計で一年半くらい、もしくはそれ以上かかってしまったのではないでしょうか。
でも、出来るようになったのです。
横について一緒にする場合は、いろんなフォローを入れて、いろんな小細工をして、
出来上がりを良くしていくのですが。
一人で任せるとなると、結構な前準備を置いて、
もう大丈夫かな。
もう理解できたかな。
もういろんな状況に対応できるようになったかな。
こんな『不安』と言う文字で埋め尽くされている頭の中を
『やるしかない』と割り切って
任せてみる。
そんなに簡単にできるものではないですよね。
一つ出来るようになったら、一つ出来ない事が見つかって
またその一つ出来るようになったら、また一つ出来ない事が見つかって。
それの繰り返しで、やっと大体のことを学び終えたかなと
それでやっと。
1人『折り込み』を認める事ができるスタッフが育ちました。
まだまだ経験が不足しているようにも思いますが、
どんなに怒られても、理解しようとしてくれました。
ムラタが教えるのは『基本のき』応用はあまり教える事ができません。
でも本当の『基本』さえ身に染み込んでいれば、大概のことは自分1人でも乗り越えれると思うております。
あと数ヶ月様子を見て、次の折り込みスタッフを育てに入ります。
一人一人、教える側も、教わる側も、時間も労力も、ストレスも半端ではないですが。
やっぱり出来るようになった時の、全てを理解したと思えた時の充実感は他では感じ得ないものだと思っております。
修行時代にお師匠さんから言われた言葉。
苦しい思いも、悔しい思いもいっぱいして来たんなら。
喜ぶ時はその２倍喜びなさい。
喜ぶ事も一つの技術だから。
苦しい思いや、辛い思いは、長く尾を引く強いネガティブな気持ち。
嬉しかったり、喜ぶ思いは、ひと時のポジティブな気持ち。
だから喜ぶ時は２倍喜びなさい。
それでトントンだから。
奥が深いこの言葉を頂いて、１０数年。
ムラタも少しは喜び方がわかってきた気がする、今日この頃です。
今週は嬉しくてこんなブログ調に書いてみました。
次回予告。
なんで折り込みが下手だと、発酵が遅くなるのか。
これについて次回は書いてみようと思います。
バターは乳製品であって、発酵阻害物質である。
これが来週のキーワードです。
