前回も書かせていただいた
『ロレンス』日清製粉の粉。
これを使って長時間発酵のバゲットを焼かせていただいたのだが、
もしかしてまぐれかも。っという事を考えてしまい。
再度試作してみました。
試作内容に選んだ種類が
バゲット生地よりかもっとダレやすい
ハチミツも加えたバゲット生地。
やはり、結果を見てみても同じような意見になった。
通常、長時間発酵のパン生地は、冷蔵庫で低温で(人によって0度〜12度)ゆっくりと発酵させる
その時に、冷蔵庫から出して、焼くところまで行くのだが、
この冷蔵庫での発酵時間、ベストタイミングというのが存在する。
だからと言って、ベストタイミングを外すと、パンにならないということもない。いういなればベストタイム前後の許容時間というものがあるのだ。
っでだ。メゾンムラタでは、この許容時間を幅広く取れると製造工程にもすごく効率化がはかれるという事を考えている。
効率化大好きパン職人だ。
この許容時間、一般的な冷蔵法や低温長時間発酵を説明しているパンの本などには15時間〜18時間と言う内容で書かれている事が多い。
ムラタがいっている許容時間というのは、15時間〜ざっくり48時間だ。
これだけでも、ちょっと異質なのだが、
この許容時間を15時間からもっと延ばせないかと常々考えていた。
できれば72時間くらいまで。
っという『くだり』があっての今回のブログ投稿だ。
添加物を使ってこの冷蔵発酵時間を調整する事はできるし、
添加物と呼ばれない酵素剤を使って調整する事もできる、
だが。。。だ。
それを毛嫌いしているムラタがここにいる。
体に良いとか悪いとか、そんな話ではなくて、固定された食感が好きではないのだ。
例えばビタミンCをバゲット生地に入れる事がある。
これを入れると、生地が酸化されて、バシッとグルテンが強くなる。
だから焼き上がりもふっくらと持ち上がるようなパンができる。
酵素剤的に言えば、アセロラパウダーも同じ考え方だ。
でもこのバシッというのが実にビシバシギューーーーーーっていう感じなのだ。
強さが抜けにくいのである。
パンを噛んだ時のヒキの強さとか、口溶けとかが固着するように感じるのである
これは完全な主観の問題だから、誰を否定する訳でもなく、どの製法を否定するわけではなく、なんの材料を否定するわけでもない。
その上で時と共に生地が酸化していき、時と共にデンプン質が分解されていき、時と共にグルテンが分解されていき、グルテンが軟化する。
その力がかかった時と緩んだ時が融合する、口溶けの良さと引きの強さのバランスが好きなのである。
もうここまで来ると『変態』と呼ばれてもおかしくないレベルだと、
薄々自分でも気づいているのであまり責めないでほしい。
こんな事を考えてパン作りをしていて、この融合の時間を長引かせたいと言っているのだ。
もう話が矛盾しているし、物理的に不可能なのではないかと微かな希望を持ちつつ思っている。
そこでこのロレンスが登場だ。
この粉を日清製粉の営業の方が持ってきてくれた時、
生地がベタつかない、吸水が増える、離水が抑えられる。
っと言った内要を聞いた。
この離水が抑えられるというキーワードがムラタパンの製法とベストマッチングしてしまったのだ。
長時間発酵がなぜ無限に延ばす事ができないかというと、以下のような事が考えられる。
そもそもイースト(酵母)の栄養が無限にあるわけではない。
タンパク質分解酵素の影響があってタンパク質(グルテン)が分解されると生地が弛んでしまう。
損傷デンプンの影響で吸った水分が時間が経つと吐き出される
超ざっくりというとこんな感じだ。
っでこのロレンスを使ってパンを作ってみると、実に72時間冷蔵発酵させた生地が、だれる事なく綺麗に持ち上がって焼き上がったのだ。
それでムラタはこの素晴らしい粉の良いところを発見してしまったのであるが、
日清製粉さんが謳っている内容を見ると。
深い味わい。
独自の石臼挽き製法。。。。。。
そのクセ粉の価格はリーズナブルな国産小麦を抜いてしまうレベル。
これでは売れるものも売れなくなってしまう。
第一、この粉の何が良いかと言うことが、
もっと伝えるべき人に伝わっていない。
(主観入りまくってます)
今有名店と呼ばれるパン屋さんやこれから始めようとしているパン屋さん。
すでに低温長時間発酵などを取り入れているパン屋さんが、
もし毎日仕込んでいる生地を、3日に一回仕込めば良くなるとする。
これはどんな改革が起こるかわかっているのだろうか?
労働時間の改革、
添加物に頼らなくても良いという安心感、
作業の集約化
それで持って、早朝から夕方まで焼き立てを出し続けることが出来るロスを少なくして、鮮度を提供できるパン屋が増えるというこだ。
あーもうこのロレンスのアンバサダーになりたいレベルだ。
勢い余って一気に書いてしまったので
(主観を取り押さえる事ができず、かなり偏った内容になってしまったことをここにお詫び申し上げます。)
とりあえず本日日清製粉さんにお電話してお話を聞きたいと思います。