ムラタのパン作りにとって、冷蔵庫というのが必要不可欠で、
しかも、その冷蔵庫の冷却能力がしっかりとしているというのが守られていないとうまくパンが作れない。
だから今回困ったことになってしまった。
使っている台下冷蔵庫から水が溢れ出てくるのだ。
通常、家庭用の冷蔵庫等は、冷却の際に出る水分は気化するように作られているが、業務用の厨房冷蔵庫に関して言えば、水を気化するようには作られていないものが多く、外に排出する作りになっているものが多い。
っで今回その水の排出がうまくできず、冷蔵庫内に水が溜まってしまうというあまり好ましく無い状況になってしまった。
っでだ。
直さなければいけないと言う事で、パネルを外して掃除してみた。
庫内のパネルはビス留めされているだけの簡単な作りで、
開けてみると、そこには排水溝のついた水受けがあり、水が並々と溜まっていたのだ。
道理で水が外に排出されず、冷蔵庫内に溢れ出て溜まるわけだと。
写真では見にくいのだが、中央に見える穴から排水されるようで、ここが詰まっていたので、コンプレッサーで吹き出してみると、一気につまりは解消。
これで庫内が水溜りになる事もなく、衛生的で冷却の問題もなくなる。
使っている機材を理解すること。
これはすごく大事な事である。
でもこのすごく大事なことが出来ない職人がどんどん増えている。
絶滅危惧種的な厳しさを持つムラタシェフから言わすと、
パンを作る以前の問題である。
お客様から見えない厨房で、壊れた機材で、不衛生にパンを作る。
これはもうパンを作るというか、飲食に関わる職人としてあまり近づきたくない部類の人だ。
こんな『人』にならないように、日々心掛けているのだが、
弱い心が自分を簡単な方へ、簡単な方へと引き摺り込んでいく。
まだまだ修行が足りないなと。
今回冷蔵庫をメンテしてスッキリしたのであります。
っでだ、腹が減ったので、気持ちいい心でご飯を食べようと裏のお魚屋さんに寄ってみる。
出会ったのはホタルイカだ。
お魚屋さんの相田さんに聞いてみると、
富山産のホタルイカやからそれは美味いでと。
『日本海のんとは違うからな〜』
え。富山県って日本海じゃないの?
どうやら魚屋さんからしたら、富山県の海というのは、日本海でも日本海ではないらしいのだ。潮なのか、山から注がれる栄養たっぷりの水なのか。
何なんだろう。
世の中は知らない事で溢れている。
『目の玉がな〜コリッとするからやな〜』
『チョンチョンととってやなー』
『酢味噌にチョンとつけて食べんねや〜』
いい説明だなと思いつつ。
おじさんに感謝して、
家に帰って食べてみる。
チョンチョンととって
チョンとつけて、
人生で初めてこんなふうに『粋にホタルイカを食べた気がする。
美味いの一言である。