クロワッサン生地、デニッシュ生地のバター包みから折り込みの説明の予定でしたが。その前に大事な事。

前回デトランプの冷却、延ばしまでの説明をしましたが。

この写真のように、仮延ばしをした生地を『どの位休ませるか』というところからスタートです。

例えば、休ませる時間が少なければ、生地の延びは悪くなります。
休ませる時間が長ければ、生地の伸びは良くなります。

これと同時に考えなければいけない事が、この仮延ばしをした時の面積が(厚みが)
薄い(写真左)と厚い(写真右)では同じ時間を休ませたとしても、同じ延びやすさにはならないという事です。

同じ時間を休ませたと仮定して、仮延ばしが薄ければ、折り込みを入れる作業の時デトランプは延びやすくなります。言い換えると『縮み』が少ない状態になります。

同じ時間を休ませたと仮定して、仮延ばしが厚い場合、折り込みを入れる作業の時デトランプは延びにくくなります。言い換えると『縮み』が強い状態になります。

じゃあ延びやすい方が楽だから薄くして長い時間休ませた方がいいのでは。

こう考えるのが普通だと思うのですが、
ムラタパン的にはこう考えないようにしている理由があります。

『縮み』が少ない、強いと言うところにポイントがあります。

想像していただきたいのが、輪ゴム飛ばし。

あまり引っ張らずにぴょんっと飛ばすと飛距離はあまりないですね。
しっかり引っ張ってぴょんっと飛ばすと遠くまで飛びますね。

これです。これ。

勢いよく焼いた時に伸びる『層が出る』ものと、焼いた時に層は有るけどペタンとして焼きあがる違い。

クロワッサンが『のっぺり』としているのと、はち切れんばかりに浮いている事の違いが
ここの『どれ位の面積『厚み』に延ばして、どの位生地を休めて、どの位の『縮み』を残した状態でバターを折り込んで行くか』ということが大事な気がするのです。

これは、パン屋さんごとに、デトランプのレシピや、包む油脂が違うので一概にこうした方が良い!っと言えないところです。

例えば、デトランプに油脂分が多く含まれているものは、延ばしやすいので加工硬化の残し具合は少なめにしたら良いとか、生地を冷やす温度が、使っているイーストによって3度位でも十分な場合、冷却と延びやすさの関係が変わるので。時間を短くしても問題がないとか。。。。

話し出したらキリがないのですが、取り敢えず。

『どれ位の面積『厚み』に延ばして、どの位生地を休めて、どの位の『縮み』を残した状態でバターを折り込んで行くか』

が決まらなければ前に進んでも上手く折り込みがいれれないので重要ポイントです。

バターの状態を合わせる。

次に重要となってくるのが、油脂の状態。

写真のピンボケすみません。

油脂の種類ですが、ムラタパンではバターしか折り込まないので、バターメインでの説明で進めます。

デトランプの延びやすさが決まって、後は折り込むだけ。
なのですが、折り込みというのは、2つの異質な物体(生地)と(油脂)を同じ延び易さで延ばしていく事。が中心なので、バターの固さも当然ながら合わせなければいけません。

冷たすぎて固ければ延びないですし、温度を上げすぎて柔らかければ延びすぎてしまいますし
薄ければ生地の冷たさが早く伝わりすぎて硬くなってしっまったり千切れたりしますし
厚ければバター自体を薄くするのに圧力が必要になりますので、生地の固さを調節しなければ
生地とバターを同時に延ばすという事が難しくなります。

だからどうするかというと。

シートバター等を使う時には、包む前にシートの厚みを調整する。もしくは、そのシートバターを直接折り込んでも良いようなデトランプ作りをする。

バターの温度を15度〜18度にする。(村田はバターによって塑性の延性が最適な温度が違う気がしてます)

これでデトランプの固さと、油脂(バター)の固さの両方が整いました。

次は包みの説明になります。

内容的に少しずつしか進まなくてすみません。

書いている最中に、あれもこれもとどんどん説明の範囲が広くなっていって
実際に厨房で教える時には、1年2年かけて感覚的な部分を延ばしていくのですが、

文章でとなると。。。。。。

まだまだ文章をまとめる力が足りず読みにくいかもしれませんが、お時間ありましたら、
週1ブログですがおつきあいくださいませ。