折り込みをする為にバターを包みます。

包み方、『観音開き』と『風呂敷包み』

 

バターの包み方ですが、このように、バターの2倍の面積まで延ばした生地の上にバターをのせて
観音開きの包み方が一つ目。

二つ目の包み方が、風呂敷包み。

どちらでも良いといえば良いのですが、ムラタパンは観音開きのやり方で包んでおります。

単純に包みやすいと言うのと、延ばした時に、生地の偏りが少なくできると思っているからです。

風呂敷包みで包むと、手数が少し増えるような気がするのです。
昔、修行時代に先輩から言われた事は。『風呂敷包みの方がバターが飛び出しにくい』と
教わったこともありましたが、バターが飛び出ると言うこと自体が、生地とバターの固さが不一致してしまっているので、あまり納得のいく説明ではありませんでした。

バターの固さとデトランプの固さ(生地の強さ、生地の給水、加工硬化と構造緩和のバランス、水和の加減)が釣り合っていれば、たとえ完全にバターを包まなくてもはみ出したり、飛び出したりはしないものです。

包むときの注意点では、デトランプで包む際に出来る『くの字の部分』の生地を気持ち薄くしておく配慮も必要かなと思っております。

別なやり方としては、バターよりはみ出しているデトランプをカットしてバターの上に貼り付けるやり方もありますが、手間が増えると言う理由で村田はしておりません。

横から見るとこんな感じです。

『くの字の部分』わかりますでしょうか。
この部分が『生地だけの部分』になって後々折り込みの層を台無しにする厄介物となるのです。

バターは横から見たらこんな感じで見えていても問題ないと思います。

 

延ばし。

バターだけが飛び出している状態になった場合には、バターが柔らかすぎるか、デトランプが固すぎるか。

風呂敷包みで延ばした場合こんな感じになります。

もしこの時に生地だけの部分が多く出来てしまうと、折り込みの最中に下の写真の様な生地だけの部分が出来上がることになります。この部分を出来る限り作ら無い努力をする事が、すごーく大事だと思います。もし出来てしまった場合(普通は多少は出来ます)切り落とすと言うのも一つの手です。

折り込みを入れる

この状態で4つ折りを入れてみます。
4つ折りを入れる時には延ばした生地を半分に折って、さらに半分に折るのですが
その際に折り目に延ばした生地の端同士を付き合わせた部分が来ないように配慮します。
これは個人的な好みの問題なので、付き合わせた部分が端に来てもさほど問題無いと思います。

更にこれを半分。

この状態で向きを90度変えて、同じように延ばして四つ折りをもう一回入れます。

これで4つ折り×4つ折りで16層の出来上がり。

これが、3つ折り×3つ折り×3つ折りの27層でも良いですし。
3つ折り×3つ折り×2つ折りの18層でも勿論良いです。

少しだけ注意点があるとすれば、折り込みを3回に分けて入れる時は、2回目までいれた後
冷却、生地を休める→そのあとに3回目を入れる方が、丁寧に折り込みが入ります。

一度にまとめて3回目まで折り込みを入れると、生地の加工硬化が強くなりすぎて、上手く伸ばせないことが多々あります。

この、『冷却、生地を休める』ですが、条件があります。

バターが割れないくらいの時間で、生地が発酵を始め無い温度で冷却をする。です。

だからムラタパンでは、このように冷却します。

冷凍庫にもともと冷やしておいた鉄バットに挟んで冷却、構造緩和を進めます。
どうしても、空気で冷やそうとする場合、全体が均一に冷え無いのでこのような方法にしております。

4つ折り2回の場合、5分くらいを目処に冷やします。そして、仮延ばしと幅出しをして、更に5分鉄板で挟んで冷却、構造緩和を進めて、本延ばし、カット、成形となります。

これで一通りの折り込みの流れの説明が終了です。
この後は、折り込んだ生地(バターとデトランプが層になっている状態の生地)の扱い方の説明になります。

では、また来週〜〜。