最終発酵のとりかた。

最終発酵の温度

クロワッサンとかの最終発酵は何度位で設定していますか?

ムラタパンに研修に来る方々がよく聞いてくる質問です。

『38度に設定しています』

パン経験者であれば、こんな温度はあり得ないとお分かりだと思うのですが。
実際メゾンムラタの厨房にあるホイロでは、冬の今ホイロの中に沢山鉄板や食パン等
詰まっている場合には、38度、スカスカな場合には34度にしております。

一般的には、28度〜30度位を使うと思われます。
『これはバターが溶け出さない温度』
というのを基準にするとこのような温度になるのだと思います。

ではなぜムラタパンはこんな高温で発酵をとるのか。

それは、『生地が何度を感じているか』というのをメインに考えているからです

例えばこちらの画像を見ていただきたいです。

これは、冷蔵庫の中で低温発酵をしているバゲット生地の画像ですが、
左側の写真では、適度に発酵が進んでいて、右側の写真では、過発酵になっております。
両方とも、3500gの生地が入っていて内容量は一緒。冷蔵庫の設定温度も一緒。

なぜ右側の写真は過発酵になってしまったのか。

これがわかる人は、ホイロの設定温度がなぜ高くても大丈夫なのかと言うのも分かるはずです。

答えは、

左の写真は、バックとバックの間に隙間が作られており、冷蔵庫内の温度(冷気)が循環しやすくなっており生地が外温の影響を受けやすく成ってます。
冷気が通りやすい→生地が冷えやすい→適度な発酵で止まる。

右の写真は、バックとバックが直接触れ合っており、冷蔵庫内の温度(冷気)が循環できない部分があり、外温の影響を受けずらくなっております。
冷気が通らない→生地が冷えない→発酵が止まらず発酵過多になる。

このような感じです。

何度で設定するかと言うのを考えるとき、何度を生地が感じているかと言うのを意識してあげると
最適発酵温度と言うのが見つかるとおもうのです。

もしこんなクロワッサンが上がっていたら。

これは発酵過多、発酵温度が高過ぎてバターが溶け出している可能性有り、発酵温度が低過ぎて長時間の発酵時間により張りが抜けてしまっている。デトランプとバターが馴染んでる、デトランプが柔らか過ぎ。。。。。等々です。

発酵一つ見るだけなのに、色々と注意することはあるのです。

最終発酵、焼成のポイント

大まかなポイントで言いますと。

冷凍、冷蔵保存の場合、どの位復温(温度を常温に戻してから)させてからホイロに入れるか。
ホイロの温度(クロワッサン等がどの位の温度を感じているか)
湿度

これが発酵中に気にかけること。

焼くときのポイントは

どれくらい乾かして、
どんな卵を塗って
どんな温度で焼き始めて
どれくらいの時間焼いて
どれくらい水分を飛ばした状態で
オーブンから出すか。

本日のレッスンはここまで。続きはまた来週です。
では、パン職人の皆さん、パンが訴える事に耳を傾けながらパン作りをしましょー。

新年始まりましたが、今年も考えて、良いパンが作れるよう頑張りまっしょー。