アップルパイ

なんやこのスカスカなアップルパイわ〜!!!
そんな早朝の出来事。

どうやら使うパイの管理を怠っていたようです。
パイなのですが、1番生地、2番生地、3番生地と言うのが存在します。
折り込まれた後の最も綺麗な層が残っている生地を1番生地
1番生地から出た端生地を再度折り直して使ったパイが2番生地
2番生地から出た橋生地を再度1番生地と合わせて折り直して使えるようにしたものが、3番生地。

パン屋さんごとに呼び名が違うので一概に共通認識は無いと思うのですが、
共通していることは、サクサクのパイをどこまで崩したものを『OK』と言うか。
です。

でこの端生地をうまく管理していかないと、生地が循環しなくなる。
要するに、どうしようもない、てのつけようの無い生地がどんどん出来上がってしまうと言うわけだ。

じゃーこのどうし様も無い生地を最終的にどうするのかというと、
これもパン屋さんによるのだが、
パイの仕込みに再度入れると言うことをするお店だったり、
他の生地の仕込みに入れると言うパン屋さんがあったりと
色々ある。

共通して言えることといえば、クオリティが良い状態をキープできにくくなると言うことだ。

これは、負のスパイラルに入ってしまう様な感じだ。
残生地が出る
→生地に入れる
→層が綺麗に上がらなくなる
→残生地が出る
→生地に入れる
→益々層が綺麗に出なくなる。

こうやって地の底まで落ちていってしまうのが、
端生地管理ができていないことによる、
『とんでもない代償だ』

っでだ。
スタッフはその端生地管理をせずにアップルパイの編みの部分を、
適当な2番生地か、3番生地か、4番生地か、訳のわからないパイを集めて作ったようだ。

こんな状態でお客様に提供できるかと、指導開始。
まずは延ばした生地から適正な量の取るべき物をとって、
残る生地を徹底して少なくする。
その残った端生地を集めて、層を崩さないように適度に重ねて延ばす。
この適度に重ねると言うのがポイントで、
ちゃんと理解していない子がこの端生地の管理をすると、
丸めてしまったり、生地を際限無く重ねて延ばし潰したりと、
散々なことをする。

適度に重ねるのだ。
っでその延ばした生地から、できるだけ端生地が出来ないように、
必要部分をくり抜いて、残った部分を集める

この集めた生地というのは、層は出るけど、美しく無い状態にまで行っていることが多い。
だからだ、最も綺麗な1番生地の間に挟み込んで使ってあげるのだ。
この1番生地に挟み込んだ生地からは、層の断面が綺麗なパイを作ることはできないので、、特定のパイにのみ使うことができる。
それがアップルパイだ。

こんな事を伝えて出来上がったものがこれだ。

そうなんです。
しっかりとした網がかかった。
アップルパイ。
これが作りたいのです。
スタッフも作れる様になって、一安心です。
徹底した管理が生み出すもの。
それは安定のクオリティなのだと思うのです。