粉の灰分(カイブン)値について思う事。

今回のお話。(灰分)

パン職人になって暫くの間『ハイブン』と呼んでいてお恥ずかしい気持ちになった事を今でも覚えております。

そもそも、この灰分とはなんだ。

これもパン職人的にザックリ言います。

小麦の胚乳と呼ばれる白い部分の周りにある外の皮がどのくらい粉に入ってますよ。

と言う値だと捉えております。

では、この灰分値。多くなるとどうなるか。

粉の色が茶色くなっていきます。

当然ながら、灰分値が多い粉というのは全粒粉寄りになって行くので茶色くなります。

味的には、真っ白い粉よりか、奥行きのある味が楽しめます。

パンのボリューム的には灰分値の高いパンの方がどっしりと目の詰まったパンになりやすいです。

そのほかにもいろいろ有りますが。。。

とりあえず、製パンする上で覚えておいたほうが都合がいい事をまとめると

他人様のレシピを使ってパン作りをしようとする場合、

味的な観点まで求めるなら、この灰分値が結構大事になってきます。

天然酵母を継ぐような事をするかたは、この灰分値を意識しないと、酸っぱいパンができたりします。

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ここからは雑談です。

ムラタがフランスでパンを焼いていた頃。小麦粉を分けるのに

Type〇〇と言う表記がありました。
もう日本でもすっかりお馴染みになっているような気がしますが。
このType。灰分値によって振り分けるのですが、少し日本での考え方と、フランスでの考え方には違いがあるという事です。

例えば以下の表記のある日本の粉をフランスのTypeで分けた場合、Type65になるか。
タンパク含有量:10.5% 灰分:0.66%
答えはYES とも NO とも言えないです。

なぜか。

灰分の出し方が日本の製粉会社とフランスでは違うらしいのです。

ムラタがメインで使っている製粉会社が日本製粉と小田象製粉

日本でのバゲット生地のレシピ作りに励んでいた時
ふとした事でNIPPNさんとお話をする機会があり、灰分の出し方に違いがあることが発覚したのです。

灰分、書いてその通り。灰の分量です。

ある一定の小麦粉をある一定の温度で、ある一定時間焼いた後に残る灰の分量です。

この温度と時間が、日本とフランスでは違うのです。

そもそも、製粉会社によって決まりが違うというような事をおっしゃっていたので、

この灰分値、日本ではすごく紛らわしい存在だと思っております。

でも知識として頭に入れておくと

もっと、パンを噛んだ時の味が。。。。

飲み込んだ後の余韻が。。。。。

歯切れが。。。。。などなど

作りたいパンを具現化しやすいと思われます。

ムラタがフランスの製粉会社で使っていた粉に似せている粉の配分は

NIPPNのジェニー94%にNIPPNの全粒粉6%

これが味のニュアンスが似ていると思って使っております。

味的なニュアンスを同じにするためにこの選粉にしたので、入る水の量(給水量)で言えば少し劣ってます(フランス時代に使っていた粉に比べて。

だから、日本で手に入る粉でうまく作るために、生地の酸化のさせ加減を、少し酸化の加減を緩めにしたルヴァンリキッドを多めに入れて、調整しております。

粉を選ぶ事。

一昔前は、この粉とあの粉とそっちの粉と向こうの粉を合わせてこんな味にする。
でしたが、

フランスで学んだことは。
ここのboulangerirもあそこのboulangerieも製粉会社が一緒で同じ粉を使って、ほぼほぼ同じレシピでやってるのに、全く味が違うのはなぜだろう。⇨ 粉の味は発酵によって引き出すことができる。

この時に必要になってくるのが灰分値。

奥が深いのです。