ガレットデロア

毎年12月後半から1月末にかけてガレットデロワを作っております。
このガレットデロワ。なかなかな知識と経験が必要なパイです。

もし、知識も経験もない状態で作るとこうなります。

昨年末にムラタが大激怒したガレット達。
主に薄く延ばしたパイが焼く時に縮んでしまっている事が原因なのですが。
その原因が何処にあるのかが分かっていないと言うのが
『観察と結果と反省』の釣り合いが全く取れておらず
このまま放置しておくとシーズン中全てのガレットが駄目になると判断して
折り込みを一緒にした時の反省点色々を今日は書こうと思います。

フュータージュ オーディネール

ムラタパンでは、通常のパイを作っております。

っといきなり言われても難しいですよね。
パイには色んな種類があって

即席パイ(フュータージュラピッド)
(細かくカットしたバターと一緒に生地をこねて、冷やして畳んでを繰り返して作るパイ)

逆折パイ(フュータージュ アンベルセ)
(小麦粉とバターを混ぜた物でデトランプを包んで折り込みを入れる、バターとデトランプが逆になった折り込み)

どちらも好きなのですが、ムラタパンでは、デトランプでバターを包む昔ながらのやり方で作っております。

理由は食感が好きだからです。ただそれだけです。
ホロホロよりバリバリ
ザクザクよりボロボロ
ハラハラと落ちるより、パラパラと落ちる。

こんなパイが好きなのです。

ざっくりとこんな作り方

1日目

デトランプの仕込み
1時間〜3時間ほど冷蔵で休ませて
仮延ばし
さらに3時間ほど冷蔵で休ませて
バターの折り込み(三つ折り2回を連続)
冷蔵、冷凍で10分以下の冷却、構造緩和が進んだ後
折り込み(三つ折り3回目)

冷凍保存(3週間位は品質の劣化等なく保存可能)
何処まで妥協するかは人それぞれですが、3ヶ月、4ヶ月の冷凍ストックでもパイとしては成り立ちます。

2日目
冷凍から解凍して、三つ折り4回目
3時間以上休ませて、三つ折り5回目
3日目
薄く延ばす
そのまま冷蔵保存
4日目
デタイユ(カット、くり抜き)
このデタイユで取りたい形をとるのですが、ここではガレットの話ですので丸い型で抜きます。
ショーソンオポムやパティ、ピティビエを作る場合はその型でくり抜けばOK
5日目
成形、模様書き(レイヤージュ)
6日目
焼成

 

ざっくりといえばこんな感じで作るのですが。

クロワッサンを作るときに説明したような
加工硬化と構造緩和(折り畳んだら縮みやすくなって、時間が経てば緩む)
このバランスをどのようにとって、一つ一つ前に進んでいくかと言う事が
縮まないガレットのポイント。

休ませるところはしっかりと休ませて
張りを持たせるところはしっかりと張らせる。

そのための、機械の使い方、粉の振り方、延ばしながら休ませる為の手作業の入れ方
冷却の度合いによる作業を進めても可能、不可能の状況的判断能力

こんな事が大事になってくるのだと思います。

今年も王冠のような丸いガレットが出せるようになりました。
未熟だから、ちゃんとしたものが作れない
成長するから、感動のあるものが作れる。

だからしっかりと反省して、結果を見つめて、次の成長に繋げるのだと思います。