カヌレの型について。備忘録的な内容です。

カヌレを焼く事を目標にして、色んな方からアドバイスを頂いて
段々と自分の中での意見が纏まってきまして。
備忘録的な内容になりますが、気づいた事を書かせていただきたいと思います。

型の素材について

これは飽くまでムラタが思うことなのですが。

カヌレは型の形が影響する部分があるのではないかと思うのです。

型の材質というのはよく聞く話。
銅で内側がスズ
フレキシパン
ステンレス
アルミ

ここについてはみんな同じような意見なのでムラタも銅派です。

今回の書くのは『形』です。

始めに買った型で上手いこといかず、大先輩に型を教えてもらい、そこからいきなり上手く行くようになり、始めに買った型、後から買い足した型、
どちらでも良いところを生かして使えるようになったのです。

 

型の容積について

カヌレの型と一言で言っても容積によって焼き上がりの食感も、焼き方も変わってしまいます。
はじめに購入しました型(写真下右)は、某ネットショップにて購入しました、ショップオリジナルのトール型で少し背が高いです。

あとで買い足した型(写真下左)は、オーソドックスなマトファー系です。

どちらもギリギリまで水を入れてみると91cc入りました。
容積としては同じという事です。

ここで大事になってくるのが、
背の高さが違うのに容積が一緒ということは、円筒状に型をスライスできるとするのであれば、
断面が背が高い方が小さいということになります。
これが、後々火通りの良し悪しに関係してくると思うのです。

この時点で気づいた事。
型の厚みです。


こちらに関しては始めに購入した方が(上写真上)少し厚い
あとで買い足した方が薄い(上写真下)

蜜蝋がすでに付いていて見えにくくてすみません。

この厚みに関してはいくら銅と言えど熱伝導という観点では違うと思うのです。
イメージで言うと
厚みの無い鉄板ではすぐ焦げ付くけど
厚みのある鉄板では焦げ付かずに焼ける
こんな違いです。

カヌレで言えば直ぐに焦げ付いてくれた方が都合がいい気がするので、厚みが少ない、後から買い足した方が好みです。

型の立ち上がりの角度

次は型の立ち上がりの角度
立ち上がりの角度が垂直に近い始めに買った方と
立ち上がりの角度の傾きが大きい後から買い足した方

これも角度が大きい方であとで買い足した方が好みです。

垂直にちかいほうは、結構焼いている最中に持ち上がりました。多分これは、

極論を言えば平べったく焼いたらカリカリに膨らまずに焼けるけど、円筒状にして中心までの火通りが悪くなればなるほど膨らんだりする事が関係しているのではないかと思うのです。

型の底の凹凸部分の形状

中心のへこんでいる部分が持ち上がっているのは当然なのですが、この窪みと鉄板との距離(窪みの深さ)、この距離が空いているとスパッと火が入って焦げ付いて焼き固まるとは行かないように思うのです。

どちらかと言うと焦げ付く前に沸騰が始まり底に空気が入り持ち上がりやすくなるイメージです。

始めに買った型はこの窪みが結構深く鉄板との距離がありました。
あとで買い足した方の型は鉄板との距離が少なくなっているため直ぐに焦げ付いて、底が持ち上がることが起こらない気がします。

カヌレの底の凹凸の丸み

カクカクしている始めに買った型では、鉄板との接点が少なくなり温度を伝えるのに不向きだと思うのです。
後から買い足した型が円みを帯びていて接点が多くなり、熱の伝わり方が良いと思うのです。

当然なのですが熱が早く伝われば沸騰する前に焦げ付いてくれます。
ゆっくりと温度が上がれば沸騰して持ち上がってしまい底面が焦げ付かずに焼き色が付かない気がするのです。

カヌレを焼いている時のイメージをまとめるとカレーを思い出す。

カレーを強火でかけると焦げ付く。そして焦げ付いた鍋のカレーをいくら混ぜても焦げはとれない。
ゆっくり弱火で混ぜながら温めると焦げない。そして沸騰する。

こんな違いがカヌレ型を使って焼くときに初めの数分で起こっているのだと思います。

だから、きれいに底面まで均一に白い部分がなく焼き上げるためには、焼き初めの温度の上昇、沸騰を開始する前までの焦げ付くまでの時間

これらを左右する型の超微妙な形と材質が出来上がりの良し悪しに影響を与えると思うのです。

では悪いと思う型ではカヌレが焼けないのか。

そんなことはございませんでした。

大事なことは、沸騰が始まる前までに焦げ付き、じっくりと表面と中心のバランスを取りながら焼きあがること。

だから。こんな工夫も必要かもしれません。(賛否両論あると思いますが、飽くまでもムラタが思っている範囲でございます。)

型に入れるアパレイユの量を調整することによってうまくいったりします。
レシピの配合を膨らみにくい(卵の量が大きく関係していると思います)配合にする
アパレイユの作り方(手順)で気泡が入りにくいような、粘性の出ないような作り方を心がける。

こんな試行錯誤があって、心の込められた、その作り手独自の愛情のこもったカヌレが出来上がるのだと思います。

だから作り方は千差万別。
考え方も、気持ちの込められ方も十人十色。

それを食べ歩くのが楽しいのだと思うのです。

以上長々と書いてしまいました。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。