ベンチタイムを取る時の乗せる器具として、一つの選択肢として
キャンパス生地と言うのがあります。
今回はこのキャンパス生地の上での発酵の
メリット、デメリットについて少しお話ししたいと思います。
ムラタパンでは、キャンパス生地をバーベキュウー用のグリルに結束バンドで括り付けて
使用しております。
こんな事をしているパン屋さんはあまりいないと思うのですが、
使い勝手が良いものをと考えて色々と失敗した結果
行き着いたのが、
キャンパス生地+バーベキューグリル
そもそも何でキャンパス生地の上にパン 生地を置くかと言いますと、
ベンチタイムの過程で、適度にパン 生地の水分をキャンパスマットが吸って、適度に生地に水分を与える
っという調整をするためです。
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何を言っているのか分からないと言う方は次のお写真を見てくださいませ。
ベンチタイム終了後、
生地を持ち上げてみると、上手く管理できている状況の中では
生地が張り付く事なく、『ペラっと』キャンパス生地から剥がれるのです。
もしこれが、プラスチック容器やばんじゅうだと、こうはいかないのです。
よくありがちな話が、べったりとくっついてしまう事
くっつかないようにと、手粉を振っていたにもかかわらず
カード等を使って掬わないと綺麗に生地をはがす事ができない状態になったりします。
これは何故か。
単純な話なのですが、空気を通すか通さないかと言う話なのです。
プラスチックや鉄板、アルミバットは、生地を乗せると、
接地面の生地は空気が通る事が出来ないので、貼り付いてしまいます。
木の板や、キャンパス生地、メッシュ網などは、
接地面の生地が呼吸できるので、調整の仕方が上手く出来ていれば
貼り付かないのです。
ここで、『上手く出来ていれば』と言う言葉を使ったのには理由があります。
もしキャンパス生地と、パン生地の接地面を乾かしすぎてしまった場合、
こんな状態になります。
生地が焼けてしまっているような、カピカピの硬い生地になってしまうのです。
もしこのような生地の状態にしてしまった場合には、霧吹きをかけたりして、多少は改善できるのですが、元通りと言う事にはなりません。
バゲットだと、クープの開きが悪くなったり、食パン生地だと、大きな空洞が空いてしまたり、
菓子パンだと形が歪んで焼きあがったりと、あまり良い現象が起こらないのです。
そのベンチタイム中に、生地を乾かしたいのか、湿らせたいのか、この判断基準をもとに
使う器具は選ぶべきだと思うのです。
バゲット生地なんかは特に、この『乾かしたい』、『湿らせたい』の判断が上手くなるだけで
整形がし易くなる、難しくなるに繋がってくるので、是非とも注意していただきたい内容です。
次回はバゲット生地のベンチタイムを
バンジュウでとった場合と、
キャンパス生地でとった場合の焼き上がりの違いを見てみましょう〜。
では、また来週です。